舌切りすずめ

舌切りすずめって、本当は「舌切られすずめ」じゃなかろうか。

まあ童話とかそういった類の物にそんな無粋な突っ込みしても誰も救われない事は重々承知の上なんですが、ここはちょっと声を大にして言いたい。舌切りすずめは本当は「舌切られすずめ」だろうと。だってあれですよ、「舌切りすずめ」とか言っちゃうと何かこう「切り裂きジャック」みたいな感じになるじゃないですか。

1792年、イギリス郊外。夜の闇が忍び寄る寂しい道を独りの女が歩いてゆく。彼女の名はジェニー。後に第一次産業革命と呼ばれる事になる大規模な社会変革は、彼女の暮らしを一変させた。彼女の家と菜園は工場用地に取って代わられ、空気は淀み、水は濁った。病気がちな母親を想い、せめて少しでも良い環境をと郊外に移り住んだが、結局そこでは仕事を得られず彼女は街の製糸工場まで歩いて通う日々を送っていた。

「それにしても嫌な世の中になったものね」、ジェニーは呟く。絶え間なく動く蒸気機関。その動力を確保する為夜中焼かれる石炭が、空を赤く、そして黒く染めている。この革命がもたらした物は何だったのか。少なくとも彼女には、もたらされた物よりも奪われた物の方が遥かに多く感じられた。家路を急ぐ彼女の鼻に、蚕の匂いが纏わり付く。匂いの元は一体何処だ。髪か、服か。苛立ちばかりが先に立つ。そんな折、一羽の鳥が彼女の顔を掠めるように飛び去った。

今のは…すずめ?

何気なく振り返った彼女の目に飛び込んできたその光景は、彼女を戦慄させるのに十分だった。立ち並ぶ木々の枝という枝にびっしりと犇くすずめ。その全ての目が彼女を、正確には彼女の顔の一点を見つめていた。

それは一瞬の出来事だった。すずめに驚き思わず声を上げるジェニー。その開かれた口めがけて真っ直ぐに飛んで来るすずめの大群。彼女の口に滑り込んだすずめたちは、彼女の舌を…、舌を…!

シタキリスズメ。COMING SOON。

うおおおお!超怖ええええ!スプラッタですね、ホラーですね。「シタキリスズメ」の部分をちょっと低い声で片言っぽく言うともう映画の予告編みたいな。やっぱヤバイよ、舌切られすずめにすべきだよ。これじゃ子供泣いちゃうじゃん。寝られないじゃん。というわけで今日はそんな凶暴な猛禽類、いやすずめが猛禽類に分類されるのかどうか知りませんが、とにかくすずめのお写真です。

すずめ

いやね、よく考えるとすずめって結構身近にいるはずなのに、なかなかこうしてじっくり眺めたりって事少ないと思いませんか。で、こうしてじっくり眺めているとやっぱ鳥だなーって実感すると共にですね、ある事実に気付くわけですよ。すずめが鳥だという事は今書いたばかりですけど、鳥だという事はですよ、嘴があるじゃないですか。基本的に嘴がある動物って、水とかガブガブ飲めないはずなんですよね。一旦嘴にすくって、それを飲むと。そう考えると「すずめがのりを綺麗に食べちゃった」なんて事は有り得ないんですよね。そもそものりなんて食べたら窒息する。なのにばあさん勝手にすずめが食べたもんだと思い込んで、舌切って追い出すとか誤解も甚だしいじゃないですか。他の動物とかが進入してのりを舐めた可能性も十二分にあるわけじゃないですか。これではずずめが浮かばれない。まあ死んでないけど。てかすずめ!舌切られた後に当然みたいな顔して喋るな!

すずめ

まあ童話批判はこれくらいにしてですね、というか批判を止めたからといって他にこれといった話題があるわけでもなく、これは即ち今日の日記もこれでお終い、という事に他ならないわけなんですけれども、何かこうすずめの印象を地に落としてしまったような気がしてちょっと心が痛みます。でもまあこうやって必至に芋を突いてる姿はちょっと和みますよね。

すずめ

因みに野鳥の捕獲はどうやら法律で禁止されているようですので、じっくり眺めたい方は野鳥の会とかそんなのにでも入ってください。




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